前回まで、「節税のための賃貸経営はやめましょう」というお話をしました。
土地に賃貸物件を建てて他人に貸せば、節税になるのは事実です。
でも、リスクもきちんと把握しましょう、ということをお伝えしました。
今回は、そのリスクを把握したうえで、賃貸経営を志すうえで、私が思うことをお伝えしたいと思います。
最近は、大手サブリース会社やハウスメーカーの中では、差別化を標榜するところも増えてきました。
当社は不動産賃貸仲介も行っていますので、お客様のご案内で、いろいろな会社の賃貸物件を見ます。
この数年の間に完成した賃貸物件は、本当に良くできていると思います。
私も、魅力的だなぁと思うこともしょっちゅうです。
お部屋探しの方にとっては、良いことだと思います。
ですが、大家さんの立場に立った時はどうでしょうか。
現在は家余りの時代です。
大手サブリース会社やハウスメーカーは、「選ばれる賃貸」ということを盛んに宣伝しています。
ここで考えなければいけないことは2つあります。
1.コストに見合う賃料設定は可能か?
充実した設備は魅力的ですが、当然お金がかかります。
その分、賃料は高く設定しなければ、利益は減少します。
2.その設備は差別化になっているか?
その物件に希少性がある場合には、差別化できていると言えると思います。
ですが、これだけ新築物件が増えると、それだけで差別化できるとは言えなくなってきます。
高くても、きれいで設備が充実した物件を望む人の数よりも、新築・築浅物件が増えてしまっているところが増えているように思います。
むしろ、少し古くても、リーズナブルな物件の方が競争力があったりします。
「選ばれる賃貸」は建設会社を儲けさせているだけかも知れません。
次回は、差別化についてもう少し詳しく考えてみたいと思います。
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(※本記事はあくまで私個人の考えです。)