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石綿(アスベスト)使用の調査結果について

重要事項説明の中で、「石綿(アスベスト)使用の調査結果について」という項目があります。

2005年頃に、石綿(アスベスト)による肺がんリスクなどの健康被害が社会問題化し、2006年から、建物の売買・賃貸をするときに、必ず説明をしなければならない項目になりました。

「石綿(アスベスト)」は、天然の鉱石ですが、耐火性、断熱性、防音性に優れ、安価であることから、いろいろな工業製品に使われ、建築物にも多く使われていました。

健康被害がわかったのは、かなり古い時期ですが、日本では1975年に、「吹付けアスベスト」が禁止されています。

その代用品で出てきた「石綿含有吹付けロックウール」も1995年に禁止されました。

年配の方なら、記憶にあると思いますが、工場や体育館の天井などに、耐火被覆として使われていた、灰色のもこもこのあれです。

2006年に、石綿(アスベスト)を一定量以上含む建材の製造は禁止されましたが、それまでは、屋根のスレートや、石膏など、様々なところに使われてきました。

肺がん等のリスクがあるとされているのは、空気中を浮遊する石綿(アスベスト)を吸い込むことによるものです。

以前の吹付けアスベストは、古くなると天井から、ぽろぽろ落ちてくる状態だったので、リスクが大きいと思います。

その後に使われているものは、セメント一緒に練り固めてある状態だったり、壁の内側で使われており、通常の生活では、自然と浮遊してくるということはほぼないのではないかと思います。

(こんなところに使われています)
https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/01/010425_3/01.pdf

前置きが長くなりましたが、重要事項説明で説明するのは、「使っているか」ではなく、「調べた記録があるか」ということです。

賃貸住宅の場合、コストの問題もあるので、大手建設会社の建築したマンションなど一部を除き、ほとんどの場合、「調べた記録」はないと思われます。

2006年に、石綿(アスベスト)含有建材の製造、使用が禁じられましたので、それ以降に建築された建物には、使用されていません。

2006年以前の建物では、屋根材や石膏ボードなど、何らかの形で使われているのではないかとも思います。

ただし、飛散する状態での使用はほぼないと思われますので、リスクは極めて低いと考えられます。

注意が必要なのは、1995年以前の建築物です。

マンションなどで、居室内で飛散する状況になくても、駐車場、地下室、階段室などで飛散するリスクがある状態になっている可能性があります。

基本的には、対策をしているはずなので、確認をした方が良いと思います。

 

 

石綿(アスベスト)が社会問題化した当時、私は建設会社に勤務しておりました。

社内の状況確認をしたり、対策を検討したりしたので、この問題には実感があります。

石綿(アスベスト)は、通常の状態では飛散することはないと思いますが、建物を解体するときは、大量に飛散します。

当時は、解体現場は覆いをかけ、水をかけながら埃が外に出ないようにしていましたが、いつの間にか、ガンガン壊している現場が多いように感じます。

解体現場を見かけたら、風下には行かない、ということを心がけたらよいと思います。

 


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